年度も明けて、つかの間の割と余裕のある生活を送っている今日この頃ですが
本来の仕事が落ち着いたらちーちゃんには別のお仕事があります。
社内のパソコン環境の整備
です。
ちーちゃんが就職してから12年になろうとしてますがその間のIT環境の進化はめざましく
最初は1台のパソコンに1台のプリンタだったのが
今では十数台のパソコンに複合機、そしてうちの会社のデータ管理を一手に担う
ファイルサーバー。
これらの機器が網の目のように這わせたLANケーブルでつながっている・・・。
そんな状態になってしまいました。
もちろん誰か「本職の人」に頼むのも手なのですが会社のセキュリティー上、外部の人間に関わらせないことに越したことはないわけで・・・。
それに最初は1台のパソコンをみてればよかったので頼むまでもなかったのです。
で、気がついたらものすごいことになっていた・・・と。(^-^;
毎年、毎年いろいろ問題は起きるのです(本当は起きてはいけないのですが)。そのたび対策を検討し毎年この時期になるとそれを解決するように環境を再整備していきます。
ちなみに昨年度はサーバーが人為的トラブルで停止(誰かが知らないでケーブルすっぱ抜いた(^-^;)、データは保護されていたものの(←これはこれまでトラブル対策の成果でもあります。)
たまたまちーちゃんが長期出張中であったため停止状態が1週間近く続き、業務に支障を来しました。
というわけで今年の主目的はサーバートラブル対策。
もちろんちーちゃんが不在であっても業務に支障を来さないようにすることです。
いろいろ案はあったのです。
最初に思いついたのは
そこら辺の電器屋でNAS(ネットワークでつながるハードディスク)を買ってきて定期的にバックアップさせて万が一サーバーが停止した際にそのNASを使用することで業務を継続する案。
この案のメリット
1 簡単
2 割と安価(3万も出せばそれなりのものが買えます)
デメリットは
1 細かい設定(詳細なアクセス制限や共有管理が不可)
2 容量の拡張の際には基本的に買い換え
3 サーバーとしての能力(多数アクセス時のスループット)が低い
4 コンパクトでシンプルな分故障に気づきにくい
(「いざ出番だ」って話になったときに使用不可だったりしたら悲惨)
逆に能力が高いものになるとサーバー1台買った方がよくね?的な値段がかかります(^-^;
というわけでその場しのぎ的な感じがしてイマイチ。
仕方がないので経理の人におねだりして現在のサーバーの改良&新規のサーバーを立てることにしました。
両方のサーバーともFreeNASというファイルサーバーに特化したOSで構築。
このFreeNASというOSはUSBメモリにシステムをインストールできます。
(無駄なHDDをつまなくてすみます)
あとZFSというファイルシステムが使えてこれが大変便利。
(ただ異常なほどのメモリとCPUパワーを要求するのですが)
実はこれまでのファイルサーバーもこのOSを使用してました。
それからスループット向上のためCPUをクアッドコアのものに変更。
RAMも8GB以上を目指しました。
HDDについては在庫品を流用しつつ追加分には2.5インチのHDDを使用しました。
消費電力削減のためです。
サーバーでは常識的に使用するミラーリングでは容量の効率が悪いので
HDD3台によるRAID-Z1を構築しました。
(3台中1台は壊れても大丈夫って方式です。容量はHDD2台分近く使えます)
バックアップサーバーはメインサーバーを1日数回監視して差分をバックアップ。
万が一メインサーバーが停止してもバックアップサーバーのデータを使用して業務を継続します。
ついでに容量もアップしたのですべてのクライアントのシステムのバックアップもサーバーで管理。クライアントに何かあってもあわてず騒がずサーバーのバックアップデータを使いリカバリできるようにします。それからサーバーのシステムがUSBメモリなので同じUSBメモリをもう一本用意してシステムの破損にも対応できるようにしました。
UPS(無停電電源)はメインサーバーでは動かなかったのでバックアップサーバーに接続。
停電時はバックアップサーバーからメインサーバーにシャットダウン命令を送信させて自分もシャットダウンできるように細工を施しました。
まぁ「これでばっちりなんじゃない?」でしょうか?
ちなみにスペックはこんな感じ
メインサーバー(FreeNAS 8.0.4)
CPU Intel Core i5 2500K
RAM 8GB
HTS727550A9E364(500GB) ×3 (RAID-Z1)
HTS547575A9E384(750GB)(バックアップ用)(外付け)
バックアップサーバー(FreeNAS 0.7.2)
CPU AMD A8-3820
RAM 8GB
WD5000BEVT(500GB)
ST3500320AS(500GB)
HTS545050KTA300(500GB)
WD5000AAKX(500GB) 以上4台でRAID-Z1
とまぁ、わかる人にしかわからないけどこんな感じ。
正直サーバーにしておくにはもったいないくらいのスペックです。
実際うちの会社のどのPCよりもハイスペックです。
メインサーバーは完全に新規。
バックアップサーバーは新規なのはCPUとメモリとマザーボード位で後は社内に転がっていたポータブルHDDとかクライアントPCがろくにデータも入ってないくせに無駄にミラーリングとかしていたのでそれらを抜き取った中古品。
ついでにそれらのデスクトップの大半も2.5インチHDDにしてしまいました。
これでサーバーが増えた分の電力は少しは相殺できたかな?と思ってみたり。
ちなみにかかった費用は2台合わせて10万前後でした。
FreeNASでファイルサーバーを構築する上での覚書
1 LANのデバイスは必ずintelのものを使うこと。百歩譲ってBroadcom。
蟹、Marvell、苦労するからてめーらはだめだ(笑)
2 RAIDを組む際にHDDはAFTと非AFTは分けること。3.5インチは1TBあたりから
2.5インチは500GBあたりが境目。購入時は注意。
3 ZFSを使うならRAM8GB以上は必須。OSも64bit版を使用すること。
4 RAID-Zを組むのなら2GHz以上のクロックのクアッドコアあたりからようやくサーバーらしくなる。それ以下だと大量のデータをやり取りするにはパワー不足でサーバーが不安定になることがある。
5 OSが無料の分、自己責任の分も多い。失敗しても根気よく調べること。ネットのどこかに必ず同じトラブルの人がいるはず。
6 基本はWebGUIの操作になるがそれだけでは不十分。SSHで接続して作業することも多いので最低限のコマンドは習得しておくこと。
とまぁこんな感じ。
会社のサーバーはこれで一安心になったのですが
次は自宅のほうでトラブル発生!!
これはまた別のお話・・・。
ではでは、また・・・。