USB電源を使用する充電器が増えてきました。
X4miniやC4evo、PD60などなど……
これらの充電器にはACアダプタというものがなく、ある意味電源供給に関してはユーザー任せになっています。
それゆえに充電器の性能が発揮できなかったり最悪使えないっていうケースも発生します。
今回はその辺を少しお話ししたいと思います。
元々USBの電力供給は5Vの電圧で0.5Aつまり2.5W程度の電力しか供給することを想定していませんでした。
スマートフォンの普及やタブレットPCなどの登場により5Vで2.1A(10.5W)まで供給可能になったものが出現しました。
ちなみにX4miniはこれを動作電力としています。
↑X4miniの入力端子のところに5V 2.1Aと書かれています
昨今はさらにより高速な充電に対応するための規格が登場しています。
QuickCharge(以下QC)とPower Delivery(以下PD)です。
以前はこれらの規格は互換性がなくトラブルの元でしたが現在は互換が進んでいるそうです。QCは最大18Wまで、PDは最大100Wまで対応しています。
ちなみにQCに対応している充電器はISDT N8、C4evo、PD60など
PDはISDT C4evo、PD60です。
↑PD60の入力端子のところにはQC、PDともに対応していることを示す記載があります
で、問題になるのが
対応しているACアダプタやモバイルバッテリーならどれでもいいの?ってこと。
対応品でも供給限界電力が設定してありQC対応12WとかPD対応30Wとかものによって様々です。
当然ですが電力供給量が多ければ多いほど高価になっていきます。
強制的に電圧指定して電力を取り出す「トリガー」といわれるもので12Vを取り出して無印C4などに電力供給するという使い方も最近言われるようになってきており、
その際にはどれだけの電力を要求するのかを見定めないと無駄に高価で大きなアダプタを買う羽目になったり逆に動作電力が足りず動かなかったりというケースも発生します。
↑トリガーといわれるデバイス。ケーブルとUSB電源の間にかませることによって電圧を設定することができるようになります。またケーブル自体にこの機能を内包したトリガーケーブルといわれるものもあります。設定等が面倒な人はそっちを選ぶのも手です。ちーちゃんはこういうギミック大好きな人なのでデバイスの方が好きです。
(だからたくさん持っているw)
↑このようにトリガーを使うと本来ACアダプタで使う充電器もモバイルバッテリーで使うことができるようになります
ちなみにISDT N8やC4evoやPD60等は実は動作電源について厳密な規定をしておらず
もし電力が足りないとその分パフォーマンス落とすよ!という感じになっています。
で、これらのうちPDがちょっと複雑になっていまして……
最大100Wまでの規定なのですが設定する電圧によって取り出せる電力が異なるというちょっと落とし穴な規格です。
具体的に言うと
5V-3A=最大15W
9V-3A=最大27W
(12V-3A)=最大36W
15V-3A=最大45W
20V-3A=最大60W
20V-5A=最大100W(対応のケーブルを使用した時)
となります。
まぁだいたい機器の裏側見ればそれらが全部書かれているんですけどね。
↑PD対応45Wのモバイルバッテリー(上)とUSBのACアダプタPD30W(下)
ちなみに12Vのところを()でくくったのは本来PDに12Vという電圧は設定されていないからです。
ですので12Vに対応していない機器も存在しています。
実際の画像のACアダプタのほうはよく見ないとわかりませんが12Vの記載がありません。ただ対応している機器も結構あるので参考に書いておきました。
12Vあってもいいと思うんですけどね~。
12Vでしか動かない機器って結構あるのでそういう機器を動かそうと思う際は「12Vに対応しているか?」も注意して選ぶ必要があります。
見てわかると思いますが最大100Wだからって5Vで20A出せるわけじゃないんです。(そんなことしたらケーブル燃えそうです)
これらを踏まえてACアダプタなりバッテリーを選ぶ必要があります。
もし要求電力が25Wとかであれば30W対応の物であれば事足りるってことになり、
取り出す電圧が15Vと決まっているときは45Wあればよく60W対応の物でも45Wしか取り出せないということになります。
また複数ポートあるものは同時に使うと出力が変わるのでさらに注意が必要です。
もう選ぶの嫌になるくらい複雑ですね・・・(´・ω・`)
↑複数ポート使用した際の性能まで細かく書かれているUSBのACアダプタの画像。
このアダプタはPD対応のUSB-Cポートが2つ、QC対応のUSB-Aポートが1つあります。
単独ではPD1で65W、PD2で30W、QCで30W(QCって最大18Wって話だった気が…)出せることになっていますが総出力が65Wなので併用すると配分が行われ出力が低下するという仕組みになっています。
じゃ充電器動かすにはどのくらいあればいいんじゃ~!って話ですが
トリガーを使ってACアダプタがある機器を動かすときにはACアダプタに出力が書いてあるのでそれを参考にしてください。
中にはACアダプタ以外の電源も想定されている充電器(無印C4:12-24Vとかエナジャイザー:12-16Vとか)もありますが基本的にACアダプタに従うのが妥当でしょう。
USB電源機器の場合なかなか難しいのですがちーちゃんは以下の式を用いてざっくりとですが計算しています。
根拠は何もありませんw
これが何となくテスターの計測値と合うので使っているって感じです。
(したがって計算が合わなくてもちーちゃんは全く責任を負いません、悪しからず)
(電池の本数)×2×(充電電流)=(要求電力)
*電池の本数はつなぎ方を問いません。
*一部のラジコン用高機能充電器にこの計算式は当てはまりません。もっと電気食います。
例えば
C4evoの場合、4本の電池を最大1.5Aで充電するので
4本×2×1.5A=12.0Wで12Wではギリギリなので余裕をもって18W辺りがよさそうです。
PD60で2本を最大6Aで充電すると・・・
2本×2×6A=24.0Wとなり30WあればOK
(6Aとか怖くてやることはまずないですがw)
みんな大好きエナジャイザー(動作電圧12-16V 電池4本を2.5Aで充電)をトリガーで電圧指定して動かすことを想定すると
4本×2×2.5A=20Wとなり12V2Aの24Wか15V2Aの30WあればOK。
(エナジャイザーのACアダプタは16V1.3A=20.8Wなのでだいたいこんなものでしょう)
こんな感じです。
ぐだぐだと小難しい話になりましたが
USB電源って楽チンそうで意外に難しいぞ!
ってお話でした。
ちーちゃん的にはUSB電源の利便性は認めますが負荷に対する不安定さがぬぐえないので安定化電源から取る電源が一番だと思っています。(キリっ)
↑今までの話全部台無しw
ではでは~。